2007年5月2日水曜日

シオニズム

シオニズム(Zionism):一般的に言うなら、「ユダヤ人がシオンの地[1]
すなわちエレツ・イスラエルに帰還しようとする運動、およびその考え方の総称」

紀元前586年の第一次バビロン捕囚から始まる、ユダヤ人への迫害と追放に対して、
ユダヤ人問題の解決を目指した。

ハスカラー運動(啓蒙運動[2])→同化
民族的な自己解放→パレスチナへの帰還

→1881年~82. ポグロム(ロシア、東欧でのユダヤ人に対する集団迫害暴動)
結果、東欧、ロシアでの同化の失敗

1882~1903. 第一回アリヤー[3]

シオニズムの形成
1894, ドレフェス事件[4]
テオドール・ヘルツェル(1860~1904):近代シオニズムの父
・ 政治的シオニズム:ユダヤ人再生を政治力や外交交渉によって解決。また国家的問題
1897.第一回シオニスト会議:バーゼル網領「シオニズムはユダヤ民族のために公法により保障される領土(a home)をパレスチナに建設することを目的とする」
→世界シオニスト機構(WZO)設立。 
バーゼル網領に賛成し、一定以上の金額を納付するシオニスト機構

アハッド・ハ・アム(1856~1927)
・ 文化的(精神的)シオニズム:イエハック・グルエンバウム、マルチン・ブーバー
・ パレスチナは人種的反ユダヤ主義からの避難所ではなく、精神的再生のセンターとならなければならない。

ウガンダ論争

1904~14. 第二アリヤー 最初のキブツ「ドガニア」発足
1914~18 WWⅠ
1915.フセイン・マクマホン協定
1916.5 サイクス・ピコ協定:英仏路による、オスマン帝国の分割案。
1917.11 バルフォア宣言:
    「英政府はパレスチナ内にユダヤ人の民族郷土を設立することに賛成し、
     この目的のために最善の努力を払う」
→1917.11 ソ連の「イズペスチャ」紙がサイクス・ピコ秘密協定を暴露。

1922.国際連盟理事会、英のパレスチナ委任統治を決定。
   27条からなる委任統治条項[5]

この頃からアラブ民族主義の高揚にともなって、アラブ人の暴動が頻発するようになる。

1929. 嘆きの壁[6]事件
1933.独、ヒトラー・ナチス政権成立:ナチスのユダヤ人迫害政策
1935.法令第六〇一九:ユダヤ人のパレスチナへの移住制限。
   石油資源確保へ向けた、アラブよりの政策

アメリカの介入

1947.9 第二回国連総会、パレスチナ分割決議採択 賛成三三 反対一三 棄権一〇
1948.5 イスラエル共和国独立宣言




労働シオニズム(社会主義シオニズム):労働運動や、キブツ・モシャブ運動など様々な運動や思想の集合離散の歴史。デイビット・ベングリオン、初代首相となった。

シオニスト修正派:ウラジミール・ジャポチンスキー(1880~1940) 
ハイム・ヴァイツマンと対立
・「イルグン」や「シュルテン」などの、ユダヤ人テロ組織を生み出した。また、1920年には、後のイスラエル国防軍の中核となる、「ハガナ」と呼ばれる武装部隊を創設。
・「大イスラエル主義」

(安藤 聖雅)

[1] エルサレム中心部のシオン山
[2] 18世紀、中世におけるカトリック教会の宗教的価値観に、理性と合理性の光を当てることによって、真実の解明をしようとした。
[3] アリヤーとは「登りくる者」の意。⇔ディアスポラ
[4] ユダヤ系フランス陸軍大尉アルフレッド・ドレフュスをめぐる冤罪事件。ドレフュスは、1894年にスパイとして有罪判決をうけたが、再審の是非をめぐってフランスの世論は二分され、最終的には無罪となった。

[5] バルフォア宣言と似ている。前文規定「これによってパレスチナとユダヤ民族との歴史的きずな、またこの地に彼らの民族郷土を再建することの根拠に対して承認を与えた。」 これはイスラエル国家の正当性の根拠とされた。
[6] ソロモンが造営したエルサレムの第一神殿が破壊され、その後、バビロン捕囚から帰還したユダヤ人が再建した第二神殿のうち、ローマによって破壊され、辛うじて残った高さ18mほどの西側の壁をいう。ユダヤ人にとって大切な昔ながらの神聖なシンボル。

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メモ
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○知識を詰め込むだけじゃなくて、
 本当に全部理解するまで聞く!調べる!考える!
○ユダヤ人はディアスポラ後何千年もの間、
 なぜ民族としてのアイデンティティーを保っていられるのか?
○キブツ、アリヤー:わざわざ帰還した人はどんな状況の人だったのか?
○ウガンダ論争については今回は割愛。

○レジュメには参考文献を明記しよう!

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次回(5月8日)
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後藤=ポグロムとイギリスの三枚舌外交
菊池=シオニズムとナチス(ヨーロッパでのシオニズム)

予習してきてねー♪

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

更新お疲れ!
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